侮りがたし、服部緑地!!~ついに狙いのトンボが登場~
2011.06.30 - Thu
日中時間ができたので、昨日に引き続き服部緑地へ行くことにしました。と言っても、この日の最高気温は34度。相変わらず恐ろしい暑さです。ジャージで上下を固め、首にタオルを巻き、サングラスを装着しての出陣となりました。経験上、首筋をタオルでガードしている方が暑さにやられにくいのです。
しかしいざ外に出てみると・・・
暑い。というか熱い。(;∀;)
それもそのはず、僕が出発しようと愛用の自転車に跨ったのは14時。そう、1日で最も暑い時間だったのです。しかしそんな事ではめげません!!ドリンクを自転車のボトルゲージにセットし、いざ出発!!
と、服部緑地に向かっている途中で、川沿いの道にトンボの影を発見!!ふと頭上を見上げてみると・・・

南方からの使者、ウスバキトンボが早くも登場です!!(^^)
このトンボは非常に面白い生態をしています。本来南方系であるこのトンボは、春頃に九州以南・沖縄地方で発生。そして、世代交代を繰り返しながら、ただひたすら北上していくのです!!その為卵期や幼虫期が非常に短く、あっという間に成虫になり、あとはただひたすら移動を繰り返す、という、なんともストイックな生態をしているんですね。(水域には何日か居着くようです)
ちなみに毎年北海道まで到達しているようですが、元来寒さに弱いため、結局は皆死滅してしまうようです(幼虫は水温4度前後で死滅)。なので、定着しているのは南日本だけと考えられていますが、毎年どこから発生が始まって、どのタイミングで北上していくのかなど、詳しい生態はまだよく分かっていないようです。う~ん、面白い。
この南方からの使者を見つけたため、この日のブログタイトルはある段階までは「南方より使者来る~夏本番!!~」にしようと思っていたのですが、結局変更する事にしました。その理由は、この後に登場します!!
服部緑地内に入り、まずは昨日ウチワヤンマが静止していた杭を見に行ってみます。すると・・・

やはりいました!!おそらくは昨日と同じ個体でしょう。昨日より少しマシな写真を撮ることが出来ました。
この後、順番通りに回っては面白くないので、今日はいつもと違うルートで回ってみることに。
公園内にある無数の池、その中の一つである目的の池に到着。自転車を止めていると、何やら視界の隅に赤くて細いトンボのような影が!!!
そんなまさかぁ~~(´д`)、いきなりベニイトトンボが現れるなんてそんな都合の良い展開あるワケないし、そもそもアオモンイトトンボ未成熟♀もオレンジ色してるからきっと見間違えただけで、第一まだシーズンは始まったばかりだからそんなにアッサリ見つかるワケn

ベニイトトンボキターーーーーー!!!!!!(゜∀゜)
見間違いではなかったのです!!とうとう見つけました、ベニイトトンボ!!今現在非常に数が減っている貴重種で、全国で絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されています。ここ大阪では準絶滅危惧種(NT)、そして地元兵庫県ではAランクに指定されているため、昨年幾度となく探し回り、しかしあえなく撃沈していたのです!!
あまりの感動に一人で悶絶、そして発狂寸前。

一度飛び立った後、別角度から。
赤い、紅すぎるぜベニイトトンボ・・・(゜∀゜)
しかし非常に警戒心が強く、撮影していた最中に草むらの奥へ飛んで行ってしまいました。何点か良い写真が撮れていて良かった・・・。(´∀`)産卵シーンも見ておきたい為、しばらくはこの場所に通ってみなければ!!(`Д´)ノ
そう、このベニイトトンボを見つけたため、この日のブログタイトルは変わる事にったのです!!そりゃ~ウスバキトンボとベニイトトンボを比べるとダメですよね・・・。(苦笑)
この発見に気を良くしたものの、ベニイトはこの1頭だけ。やはりまだまだシーズンは序盤のようです(後に少し離れた場所でもう1頭確認しました)。
この周辺には、お馴染みのトンボ達も沢山。

まずはコシアキトンボ♂。やっぱり暑いのでしょうか、この個体はほぼずっとこの状態でした。

こちらはアオモンイトトンボのペア。そして、

チョウトンボも発見!!やはり水域に出ています。
そして、何気なく上空を振り仰いだ僕の目に飛び込んできたのは、

チョウトンボの群れ。(゜Д゜)
広角レンズを持っていないのが悔やまれます。写っているのは6頭ですが、肉眼で確認した限り20~30頭はいました(おそらく全て未成熟個体)。そして未成熟のコシアキトンボと共に、上空を乱舞しているのです!!もうしばらくしたら、水域を飛ぶ個体の数も増えそうです。(^^)
この場所はこれで切り上げ、公園中心部の池の橋へ。狙いはギンヤンマです。これだけ暑ければ絶対に飛んでいるだろうと予想をつけて行ってみたところ、やはりいました!!かなりの飛翔スピードですが、しっかりパトロールしています!!
早速デジ一With200ミリレンズを構えて、撮影に挑戦!!

しかしいきなり撮影に成功するはずがありません。以前に比べると随分マシな写真が撮れている事に気づき、俄然やる気が出てきます!!ここで設定をマクロモードからマニュアルモードに変えてみます。

マニュアルモード:シャッタースピード1/800、絞りF値4.2~5.6、露出補正+5.0、ストロボ無し。
慣れてきたのか、少しずつピント合わせに慣れてきました。
炎天下の中汗だくになって撮影を続けていると、ふと視界の端(かなり奥)に黒い塊が。なんとそれは、連結状態になっているウチワヤンマだったのです!!急いでカメラを向け、レンズをギリギリまでズーム!!
ウチワヤンマは、そのまま産卵を始めました!!

かなり遠い・・・。
一番左が連結した状態です。そして10秒もしないうちに連結を解き(写真真ん中)、♀は数度打水。これは打水産卵なのでしょうか??いかんせん遠すぎてよく見えません(苦笑)。
そして♀は水面に浮かぶ水草に着地、♂は♀から離れようとしません。どうやら警護飛翔をしているようです(写真右)。

♂は♀の後方に位置を変え、ずっと警護中。そして♀は、一度静止した状態で腹部先端を水に付けていたかと思うと、しばらくしてまた浮き上がり、低い体勢のまま打水を始めました。そして数回打水した後、♂と共に何処かへ飛んでいきました。この間およそ5分。
一体どういう産卵形態をしているのか、生で見ていたのによく分かりません(苦笑)。接水している間は、粘着質というウワサの卵塊を作っていたのでしょうか??是非一度近くで観察してみたいものです。(^^;)
もう一度ギンヤンマの撮影に戻るため、ギンヤンマを探していると・・・

ウチワヤンマが静止しているのを発見しました。どうやらかなりの数が生息しているようですが、皆一様に、池の沖の方に静止します。これじゃしっかりとした良い写真が撮れない・・・。(´∀`;)
ウチワヤンマを撮影していると、ようやく戻ってきたギンヤンマを発見!!再びシャッターを切り続けます!!
この時改めて気づいたのですが、飛翔しているトンボの撮影の際は、以下の事を考えると良いようです。
①多少イレギュラーな動きをしても、トンボは必ずコース上に戻ってくる。しかもほぼ同じ軌道をなぞる。そして強風が吹けば僅かながらホバリングする。
②コンデジではないので、被写体(トンボ)を中央に捉えなくてもいい。要はトンボとの距離感さえ掴めれば、あとはファインダー内のどこかにそのトンボを写しこめばいい。その状態でのピント合わせは、中央にトンボを写そうとした時よりも遥かに楽。
③キモはシャッタースピード。マクロモードではシャッタースピードが遅いため、ブレやすくなる。なので、露出補正をギリギリまで上げて、シャッタースピードは極力早く、絞りも限界まで開放してやる(今回はF値4.2~5.6が限界値)。
以上の事を踏まえつつ、挑戦してみます!すると・・・・

随分良い写真が撮れるようになってきました!!


YES!!!!(`Д´)v
ようやく納得のいくギンヤンマの飛翔写真が撮れました!!(^^)随分苦労しましたが、ようやく日々の練習の成果が実を結び始めたようです。(笑)まだまだズバっとした写真ではありませんが、現時点では上々と言えそうです。
この後他の池も回ってみたものの、芳しい成果は無し。流石に炎天下での撮影は堪えたため、この日はこれで終了としました。
この日確認したトンボは、アオモンイトトンボ、ムスジイトトンボ、セスジイトトンボ、モノサシトンボ、ベニイトトンボ、ギンヤンマ、ウチワヤンマ、シオカラトンボ、コシアキトンボ、チョウトンボ、ウスバキトンボの計11種類。
ベニイトトンボの登場で、俄然目が離せなくなってきた服部緑地。今後も時間を見つけて訪れてみようと思います。(^^)
コメント
ウチワヤンマの産卵。
おお、やっぱり産卵も沖の方でしたか。
ちょうど水草が生えるぎりぎりの境界ぐらいですか・・。
孵化した幼虫はもっと深場へと移動していくわけですね。
ギンはもっと岸寄りでしょうね。
クロギンなどはあの小さな池のヘリですもん・・(笑)。
ウチワ(タイワンウチワを含む)は本当に不思議な生態ですね。
ちょうど水草が生えるぎりぎりの境界ぐらいですか・・。
孵化した幼虫はもっと深場へと移動していくわけですね。
ギンはもっと岸寄りでしょうね。
クロギンなどはあの小さな池のヘリですもん・・(笑)。
ウチワ(タイワンウチワを含む)は本当に不思議な生態ですね。
レス遅れました。
ここ数日発表会でバタバタしていて、レスが遅くなりました。
かなり遠い場所だったので、目視が厳しい上に撮影も困難でした。(苦笑)打水型のようなので、粘着質の卵はそのまま底まで沈み、底の砂や石にくっつくと思われます。そして孵化後、更なる孵化場へと移動するんでしょうね。正直そこまで深い場所に行かなくても・・・と思ってしまいます。(笑)
ギンやクロギンは産卵も確認しやすいですよね。産卵中の写真、なんとか撮りたいと思います!!(^^)
かなり遠い場所だったので、目視が厳しい上に撮影も困難でした。(苦笑)打水型のようなので、粘着質の卵はそのまま底まで沈み、底の砂や石にくっつくと思われます。そして孵化後、更なる孵化場へと移動するんでしょうね。正直そこまで深い場所に行かなくても・・・と思ってしまいます。(笑)
ギンやクロギンは産卵も確認しやすいですよね。産卵中の写真、なんとか撮りたいと思います!!(^^)
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