これまでに撮影したトンボ達~第四回・イトトンボ後編~
2012.03.19 - Mon
今回で四回目、もはやシリーズと呼べるこの企画。今回は、前回紹介しきれなかったイトトンボを、後編と称してご紹介します!(^^)それでは繊細なイトトンボの世界へレッツゴーー!!(゜∀゜)(笑)


グンバイトンボ(上♂、下♀)2011年7月、地元周辺にて撮影。
♂の脚の脛節の形が「グンバイ(軍配)」の名前の由来となったトンボ。♀にはこのグンバイが無い。水が綺麗な清流を主な棲息場所とし、ヤゴは水中の水草や草の根等に掴まる様にして生活している。現在各地で生息数を減らしており、兵庫県でもRDでBにランク付けされているが、条件さえ整えば、兵庫県南西部では割と普通に見られる。

モノサシトンボ(産卵中のペア。上♂、下♀)2011年8月、地元周辺にて撮影。
体節の模様が物差しのように見える事から名づけられたトンボ。年に2化し、シーズン始めの初夏頃に見られる個体は、晩夏や秋口に見られる個体よりも一回り以上大きい事が多い。やや薄暗い池などの止水環境を好み、成熟するまでは池脇の側道の草むらなどでよく見かける。

キイトトンボ(産卵中のペア。上♂、下♀)2011年8月、地元周辺にて撮影。
ややがっちりとした、名前の通り黄色味が強いトンボ。♀は成熟すると黄色味が強くなる個体が増えるが、若い頃は若草色をしている。植生が豊かな浅い池や湿地を好み、日光が当たる場所を盛んに飛び回る。かなり獰猛で、他のイトトンボを捕食しているところをよく見かける。

ベニイトトンボ(♂)2011年6月、服部緑地にて撮影。
地元兵庫県ではAランクに位置づけられる、全国的に見ても貴重なトンボ(全国ではVU扱い)。名前の通り鮮やかな紅色をしており、植生が豊かで自然護岸が残る池に生息する。兵庫県では神戸の一部でしか確認されておらず、写真の個体も大阪府の服部緑地で撮影した。♀は成熟するまで水域から離れて生活するらしく、未だその姿を確認できていない。


アオモンイトトンボ(上♂、下♀)2011年5月、地元周辺にて撮影。
どこでも普通に見られる、非常にポピュラーなイトトンボ。1年2化。♀には複数の体色パターンがあり、若草色(写真の個体)、赤みが強い個体、♂と同じような色(同色型)等を確認している。基本的には止水域を好むが、川のワンド等の淀みにも生息できるらしく、大河川の河口付近でもよく見かける。


アジアイトトンボ(上♂、下♀)2011年4月、地元周辺にて撮影。
比較的早い時期から見られる、年に2化するトンボ。春に発生するタイプは体がガッチリしており、アオモンイトトンボとよく似るが、本種は腹端の青色が腹部の第9節に来る事、眼後紋の形状等で見分ける事が出来る。♀はアオモンイトトンボと同じく複数の体色パターンが存在するが、どれもアオモンイトトンボとよく似ている為、同定にはやや注意を要する。


クロイトトンボ(上♂、下♀)2011年5月、地元周辺にて撮影。
池のやや薄暗い場所を好む、比較的よく見られる種。♂は成熟すると胸部に白い粉を吹いたようになり、未成熟の♂と比べると随分雰囲気が変わる。♀は写真の個体の体色パターンと、♂に近い青色タイプの2種類が存在する。年に2化するが、羽化シーズンがダラダラと続く為、4月~10月のシーズン中は常に見られる。


ムスジイトトンボ(上♂、下♀)2011年7月、地元周辺にて撮影。
植生豊かな池を好み、夏場になると一気に個体数を増やすトンボ。近年数が減っているらしいが、地元周辺では比較的普通に見られる。成熟すると♂の複眼は鮮やかな青色に変わる。クロイトトンボ科の中で、唯一年に1化。


セスジイトトンボ(上♂、下♀)2011年5月、地元周辺にて撮影。
ムスジイトトンボに似るが、胸部の黒条に引っかき傷のような模様が入る事と、眼後紋の形状で見分ける事が出来る。また、ムスジイトトンボの♂の複眼が鮮やかな青色なのに対し、本種の♂の複眼はライトグリーンなので、この点でも慣れれば容易に見分けがつく。♀は写真のような緑味が強い個体の他、青味がかなり強い個体も時折見かける。かなり汚れた池の脇や、水路の傍でも見かける事がある。
これにてカワトンボ~イトトンボ編は終了、次回は馴染みのある種が多いトンボ科をご紹介する予定です!!(^^)
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