オナガアカネ祭り~迷入シーズン真っ只中~
2012.10.22 - Mon
当初は地元周辺を散策予定だったこの日。天気予報を見ると午後から天気が崩れるとの事だったので、友人と相談し、1日天気が良いであろう日本海側へ出掛ける事になりました。そう、二週連続での日本海側への遠征です!!(^^)
狙いは当然迷入種。この時期限定であるオナガアカネの観察がメインですが、あわよくばスナアカネが見られるかもしれません。
前回捜索時と同じルートを辿り、最初のポイントには11時半頃到着。が、
すんごい風。(゜Д゜)
あまりの強風のせいで、アキアカネ達もまともに産卵出来ない様子。これは観察どころではありません。(´д`;)それでも風裏を中心に辺りを散策してみましたが・・・

いるのはやはりアキアカネのみ。仕方なく、すぐに移動する事にしました。
二ヶ所目の本命ポイントに到着した後、あちこちを徒歩で散策していきます。
途中アキアカネに混ざって摂食中のカトリヤンマ♂を発見したものの、網がギリギリ届かない高さ。捕獲はなりませんでした・・・残念。(´∀`;)
田んぼや草むらを見つけては周囲を捜索、そしてまた歩き続け・・・特に収穫もないまま前回オナガアカネを発見した場所に到着。
しばらくすると前方にいた友人がオナガアカネ♂を捕獲!やはりこの周辺にいるんだということで、俄然やる気が出てきます!!が、

4頭のアキアカネ♂。
僕の視界に入るのはアキアカネばかり。


シルエットも良い!!
先週捜索した時、この周辺はアキアカネの姿が無かったのですが・・・どうやら彼らも良い場所を求めて移動しているようですね。(^^;)
アキアカネが乱舞する中、オナガアカネはいないか探していると・・・突如視界に入るメタリックグリーンのボディ。水路の上空を摂食飛翔しているそのトンボは・・・なんとエゾトンボではないですか!!(゜Д゜;)
この時期に見られるのはかなり珍しいので、体を伏せて・・・左サイドから網を一閃!!今シーズンの中でも良いスイングに入る一振りで、見事に捕獲!!

エゾトンボ♂キターーー!!!(゜∀゜)

エゾトンボの証、特徴的な尾部付属器。
まさかこの時期に見られるとは思っていなかった種なので、これにはテンションが上がります。(^^)
この1頭に気を良くしつつ、辺りの散策を続けていると・・・友人がオナガアカネ♀を見事捕獲!!どうやら捕獲する前から、飛び方でオナガアカネだと判ったとか。これは負けていられません!!(`Д´;)
広大な田圃の畦道に捜索場所を移し、歩き始めると・・・あちこちからアカネが飛び出してきました!!しかもどうやら殆どがオナガアカネ♂のようです!!中にはノシメトンボやアキアカネ、ナツアカネも混ざっていますが、友人の言う通り確かにどの種も飛び方が違います。
そもそもノシメの場合は翅のノシメ斑で見分けられますし、オナガアカネは小ぶりな上にせわしない動きで小刻みな挙動が混ざるのです。
そこで、「これはオナガだろう!」と狙いをつけて捕獲してみた結果・・・

やはり全てオナガアカネ♂でした。(^^)最も、上写真真ん中の個体はやや胸部黒条が太いように思えますが・・・きっと個体差でしょう!(苦笑)もう迷う事はなさそうです。
彼らは(迷入種だけに)迷っているんですけどね。(゜∀゜)(違)
ある程度手元で観察出来たので、デジ一で撮影を開始します。


被写体となるオナガアカネの数は多いので、




制止写真は色々な物が撮影出来ました。(^^)
一方飛翔写真はというと、


散々な出来。((((´∀`;)
まず被写体が小さい上に、オナガアカネは動きが非常に細かいのです。さらに強風で飛ばされてしまったり、他の♂と小競り合いをしたり。どうやらオナガアカネ♂はかなり縄張り意識が強いようです。
それならばと、飛び上がった個体のバックを(ピントが合わせやすい)空にすべく屈んで撮影してみると・・・

後ろ姿ではあるものの、なんとか飛翔写真っぽい一枚が撮影出来ました。

この個体、別個体を追い払った後戻ってきた。
さらに観察を続けていると、

やはり迷入種。翅がボロボロの個体を発見しました。この個体、風が吹くと・・・

飛ばされないように、必死にしがみついています。(笑)風が止んだ所で、

ようやく翅を落ち着けました。改めて見てみると本当にボロボロです。遠路遥々ご苦労様ですね。(´∀`)

角度を変えつつ何点か撮影した所でこの周辺からゆっくり移動しつつ、さらに見て回っていると・・・僕らのすぐ脇でホバリングするアカネを発見。
明らかにアキアカネではなく、オナガアカネよりもやや大型。確信を得つつ網を一閃、出てきたのは・・・

タイリクアキアカネ♂キターーー!!!(゜∀゜)
やはりタイリクアキアカネでした!!(^^)前回僕は捕獲出来なかった為、これは嬉しい獲物!!
辺りには他にもそれらしい個体が2頭いましたが、すぐに強風に乗って飛び去ってしまいました・・・残念。(^^;)
夕方に差し掛かったこの後、徐々に雲が太陽を多い始めました。そのせいか、今まであちこちで見かけていたオナガアカネの数が一気に減った為、この場所での捜索を切り上げる事にしました。
最後に海岸に寄り道。友人がヤマトマダラバッタなる貴重種を探したい、という事で捜索してみたのですが・・・

こちらは♂。

こちらは♀。
この日最もよく見られたのはこのクルマバッタモドキ。その他、

やたら脚がオレンジ色をしたトノサマバッタに、

マダラバッタがちらほら。残念ながら目的のヤマトマダラバッタは見つかりませんでした。子供の頃からよくバッタ採集に行っていたので、久しぶりにバッタを探してみると・・・意外と面白い!!のです。
たまにはトンボ以外の昆虫を探してみるのも面白いですね。(^^)
この日はこれにて終了としました。
今回の捜索で発見したオナガアカネですが、個人的な見解ですがおそらく50頭はいたと思われます。周辺を隅々まで捜索すれば、100頭以上見られたのではないか・・・もしくは、この周辺で発生しているのでは・・・そんな気すらします。
とにかく、かなりの数が入ってきているのは間違いありません。
さらにこれだけ観察してみた結果、オナガアカネの生態がなんとなく想像出来ました。
◎♂は縄張り意識、排他性が強い?
♂は基本的に1箇所に留まって縄張りを持っていました。そこに風に飛ばされたと思しき他の♂がやってくるとファンブルし、しばらくすると縄張り♂が戻ってくる、という事を繰り返していたのです。

オナガアカネ♂が占有していた、田圃内にある水溜まり。
また、イネの間を探雌するような飛翔姿も多々観られたので、ひょっとすると縄張りを持つ個体以外にも、♀を探し回るタイプがいるのかもしれません。
◎集団飛来性がある?
これだけの数がバラバラに飛ばされて来た、という風にはどうしても思えません。ひょっとしたら、纏まった数で大陸から渡ってきたのではないか?と僕らは考えました。
纏まった数で飛来する事により、移動中に鳥などに襲われた際でも生き残る個体が出てくるはずで、結果、種としての存続に直結するのでは、と考えられるからです。
また、多数で新しい場所に移動した方が、結果的に種として(移動した先で)生き残り繁栄出来る可能性が高い、という事も加味出来ます。
◎♀が繁殖場所に姿を現すのは、産卵時(昼過ぎ)だけ?
これは日本にいる多くのトンボで顕著に見られる特徴ですよね。
何故この仮説を立てたのかというと、前回僕が捕獲した♀、今回友人が捕獲した♀共に、水田から離れた樹林沿いで見られたからです。それもアキアカネに混じった状態で、です。
この日確認したオナガアカネは、1♀を除き全て♂。もしこれがメインで捜索した場所が田圃だったから、という理由だったとすると、上記の仮説を立てられるのです。
まぁどれも個人的な予測なので、あくまで仮説ですが・・・。(^^;)出来れば有識者の方の見解を拝見したく思います。(^^;)なんせ日本に棲息していない(という扱いの)トンボなので、詳しい生態がイマイチ判らないんですよね。(苦笑)
海外からの迷入種の生態解明は、今後のテーマになっていきそうです。
ちなみにこの日確認したトンボは、アオイトトンボ・オオアオイトトンボ・カトリヤンマ・エゾトンボ・オオヤマトンボ・シオカラトンボ・アキアカネ・ナツアカネ・コノシメトンボ・ノシメトンボ・マユタテアカネ・タイリクアキアカネ・オナガアカネ・ウスバキトンボの計14種でした。
さて次は・・・今週末・来週頭こそは、タイリクアカネを探しに行きたいと思います!!(^^)天気が崩れなければいいのですが・・・。
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