県北ソロ遠征再び~モートン&ハッチョウ、新産地発見!~
2013.06.17 - Mon
雨が降らない空梅雨となっている今年の6月。トンボ家としては、捜索に出られる嬉しさ半分、湿地が干からびてしまう為に悲しさ半分、といった感じで、なんだか複雑な気分です。(´~`;)
ともあれ、雨が降らないのであれば迷いはありません。県北へプチ遠征してきました。晩に仕事がある為、夕方には切り上げないといけないのが痛いところです。(苦笑)
さて、この日の目標は・・・
・朝一~キイロヤマトンボ成虫捕獲
・昼前~サラサヤンマ観察
・昼過ぎ~モートンイトトンボとハッチョウトンボの産地開拓
・ラスト~ヒラサナエとヒメクロサナエ観察
となっています。
キイロヤマは昨年6月半ばに県東で確認しただけ。県北では幼虫を確認している為、そろそろ成虫が見られるかな、と考えての行動です。
サラサヤンマはもうすぐシーズン終盤なので、その前にもう一度飛翔&産卵観察をしたいと思ったんですね。
モートンとハッチョウは、共に県北に多産するポイントがある為その周囲にも産地があるはず、という目論みです。
サナエ達は、時間的に余裕があれば・・・といった感じですね。
まず最初のポイントに到着したのは午前8時過ぎ。5月半ばに発見した、ホンサナエやアオサナエが多産する場所です。

やはりアオサナエはまだ健在。数は随分減ったものの、テリを張っていました。そして驚いたのが、

オナガサナエの羽化殻の数です。この石のような状態は当たり前(裏面にも4つほど)で、中には・・・

オナガ三兄弟!!(゜∀゜) (違)
橋脚の苔むした場所では、こんな光景があちこちで見られました。一応途中までは数えていたのですが、100を越えた辺りでギブアップ・・・おそらく200や300はザラにあったと思われます。(^^;)夏場が楽しみですね。
また、流下してきたと思われるオジロサナエや、コオニヤンマの羽化殻も多数見られました。
アオが減ったのはコオニのせいでは・・・。(゜∀゜;)
羽化殻を観察している間も成虫探しを続けていましたが、コヤマトンボが3頭見られただけでキイロヤマは見られません。時期が早かったかな?と思いつつ、先日友人と訪れた場所へ移動する事にしました。
が、裸足になって川を渡ったにも関わらず、ここではアオサナエ♂を1頭発見しただけ。気温もかなり上がってきた為、サラサを求めて一気に場所を変える事に。
ところがそこはやはり梅雨時の空。サラサのポイントに着くと同時に、一気に曇り始めるのです。そして目に飛び込んできたのは、
カラッカラ状態の湿地。(゜∀゜;)
やはり雨が降らない影響で、湿地が草原のようになってしまっています。これは厳しいか、と思いつつ奥へ行ってみると・・・産卵場所を探す為にホバるサラサ♀を発見!
慌ててカメラを出しつつ追いかけると、窪地に入っていく♀。と同時に、制止していたと思しき♂が♀にタックル、そのまま連結!湿地の上をしばらく飛び回った後、樹上に飛んでいき、制止しました。
ちなみにこの間撮影した写真は設定ミスにより惨敗・・・。(泣)
設定を直した後、サラサが制止した場所付近をくまなく探します。そして5分近く経過した頃、

ようやく交尾態のサラサを発見!足元がグズグズなので、体勢を整えて・・・

F値を14まで絞ったらようやくピントが来た。
なんとか1枚、良い写真が撮れました。(^^)
が、この直後に突如OSBが襲来。敵意むき出しで襲いかかってきたのです!慌てて逃げる僕の目には、驚いて飛び上がるサラサペアの姿が飛び込んできました・・・残念無念。(´д`。)
天気もかなり悪くなってきた為、もうダメか?と思った矢先、窪地でホバる1♂を発見!が、

ストロボ無しでは太刀打ち出来ない薄暗さ。仕方なくストロボを使うと・・・

唯一と言って良いマトモな写真。

驚いて逃げるところ。ブレてしまっている・・・。
この個体、ストロボが光る度に驚いて離れてしまいます。

焦ったせいでピントが腹部に・・・。

まともに撮れたと思ったら、ストロボが充電状態で発光せず・・・。(泣)
一端制止に入ったと思ったら、

この1枚を撮影した際のストロボに驚いて飛び去ってしまいました。ツイてない・・・。
この後高速で摂食飛翔する♂を1頭捕獲→観察→リリースした後、

樹上にてアカシジミを発見!初めて見るチョウも中々にテンションが上がります。(^^)

こちらはよく見かけるヒメウラナミジャノメ。
これでこの場所は切り上げか、と湿地を出ようとしたところで、サラサ♀が産卵に登場!
が、この♀もひどくストロボを嫌います。やはり曇っている時は眩しすぎるのでしょうか・・・。仕方なく撮影を我慢して限界まで近付き、

なんとかこの1枚を撮影。当然のように驚いて飛び去ってしまいました。邪魔をしてスマヌ・・・。(´∀`;)
この場所はこれにて切り上げ。車に戻る時にヤブヤンマ♀が頭上(6mくらい)を通りすぎた事に少しテンションを上げつつ、移動です。
次のポイントは、以前友人と訪れた際にマルタンヤゴを多数確認した池。脇に湿地状の場所があったので、ハッチョウを期待しての訪問です。
まず驚いたのは、ショウジョウトンボとキイトトンボの数。おびただしいという表現がピッタリくるレベルです。また、

コサナエ♀を1頭だけ確認出来たり、

右はショウジョウトンボ。
今年初確認となるウチワヤンマを発見したり、

薄暗い場所ではモノサシトンボを多数発見した他、チョウトンボも1頭だけ発見!夏が近づいていますね。そんな中、

マルタンヤンマの羽化殻も発見!見つけたのは2つだけでしたが、お気に入りの種なのでテンションが上がります。(^^)
高いテンションのまま、意気揚々と今回のメインである池脇の小規模な湿地を覗きに行くと、
ただの荒れ地になってました。(゜Д゜)
雨が降らず水が干上がり気味になった結果、雑草が腰丈くらいまでワッサワサになっていたのです。隙間からはマムシも顔を出してこちらを威嚇・・・折角上がったテンションも一気に下がってしまいました。(´д`;)
しかし、この場所を離れる頃には幸いにも太陽が顔を出してくれたため、どうするかを真剣に考えます。
ヒラサナエ&ヒメクロサナエを観に一気に移動しても良かったのですが、結局今年まだ見ていないモートン&ハッチョウ&キイロヤマに狙いを絞る事に決定。
サナエ達はまたの機会にし、前回一人で県北を訪れた際に発見した湿地(というか休耕田?)へ行ってみました。
到着したのは13時半頃。段々になった休耕田が2つあるだけの、小規模な場所です。が、入ってすぐに、

モートンイトトンボキターーー!!!(゜∀゜)
やりました、モートンイトトンボ(兵庫Aランク)の新産地発見です!しかも、

成熟♀。

未成熟♀。

成熟♀背面。

半成熟♂。

未成熟?♂。

テネラル♀?

色合い鮮やかな未成熟♀。
あっちもこっちもモートンだらけ。(((゜∀゜;)
昨年訪れていた産地が霞んでしまうレベルの多産ぶりです!


本当に凄い数で、一歩歩けば10頭近いモートンが飛ぶレベルなのです。モートンは産まれた場所から殆ど離れないそうなので、様々な年齢(?)の個体を観察出来ました。
イトトンボはモートンだけかな?と思っていたら、

オオイトトンボ♂(兵庫Bランク)も1頭発見!時期がずれただけだと思われるので、春や秋に訪れればオオイトも多数見られるのではないでしょうか。(^^)この日はモートンにおされ気味でした。

上の段の休耕田。典型的なモートン環境になっている。
上段はモートンばかりだったので、下の段はどうか?と入ってみると・・・


ハッチョウトンボキターーー!!!(゜∀゜)
下の段は、モートンに混ざってハッチョウが多数見られました!ハッチョウ(兵庫Cランク)の多産地でもあったようです!(^∀^)

小さな赤が目に染みる・・・。



上三枚は♀。

半成熟♂。

たまには標準レンズで。特に変わった様子も無い・・・。(苦笑)

半成熟♂が一番キレイかもしれない。
しかしながらこの場所、ホントに何の変哲もない場所なのです。当然ながら手入れされている様子も全くありません。

下段の見た目はただの草むら。
この草むらに潜り込んで見ると・・・

赤い点がハッチョウ。
こんな感じでハッチョウが制止していて、近くをモートンが飛び交っているんですね。
しかし、この何の変哲も無い場所で、兵庫RDでA・B・Cにランク付けされている三種が元気に活動しているのです。重機が入ったりしない事を祈りますが、休耕田なので耕作の手が入る可能性もあります。
なんとかならないものでしょうか・・・。(´д`;)

横の水路にはヤマサナエ♂が。

この場所を離れる前にモートン♂をもう一枚。後ろ(というか下?)にもう一個体写っている。
小型美麗2種の観察は心行くまで楽しめた為、最後にもう一度キイロヤマトンボを求めて河川に行ってみたのですが、

開けた河原で何故かオオウラギンスジヒョウモン♂を発見した以外、目ぼしい収穫は無し。
ちなみにこの蝶、図鑑には「森林生活性で開けた場所では見られない、吸水性は少ない」とあるんですが・・・。(苦笑)

抜群の環境だけに、時期が早かったと考えるべきか。
移動した先でも収穫が無かったため、15時半過ぎに終了としました。
この日確認したトンボは、ニホンカワトンボ、オオイトトンボ(B)、クロイトトンボ、キイトトンボ、モノサシトンボ、モートンイトトンボ(A)、コサナエ(C)、ヤマサナエ、アオサナエ(C)、コオニヤンマ、ウチワヤンマ、コヤマトンボ、ヤブヤンマ、ギンヤンマ、クロスジギンヤンマ、サラサヤンマ(B)、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、シオヤトンボ、コシアキトンボ、ショウジョウトンボ、チョウトンボ、ハッチョウトンボ(C)の計23種。
結果的にキイロヤマトンボの成虫は見られませんでしたが、サラサの産卵や交尾を観察・撮影を出来、モートン&ハッチョウの新産地も発見出来たので、中々の成果と言えそうです。(^^)
まぁ流水サナエは時期がかなり怪しくなって来ましたが・・・。
さて、この記事を書き終えた水曜日は、1日土砂降りの雨でした。
これが恵の雨となってくれればいいのですが・・・。(´∀`;)
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